資生堂パーラー

ぼくら三人(ぼくと妻と妻の妹)は金曜日、銀座の〈資生堂パーラー〉へ向かった。正午に二人のお母さんと四人で会食することになっていた。道すがら、さっちゃんは「ママが仕事をやめるみたい」と言った。妻はぜんぜん知らない話のようで、どうもお母さんとのあいだには何かあるようだ。

たぶん、プライドみたいなものかなあ。(二人は顔が似ているのも関係している?)仕事をずっと頑張っていたというお母さんだから、不本意な状況はさっちゃんの方が言いやすいのかもしれないし、妻がLINEの返事をしないので言いそびれていたのかもしれない。また、ぼくにどうなるものでもない。

はじめて訪れた資生堂パーラーは、三人には馴染みのある店のようだった。ピンクの壁の吹き抜けになった大部屋がやさしい雰囲気だった。お客さんもふさわしく着飾っていて立派そうに見える。

形式ばってはいるけれど、ベースにあるのは古き良き時代の洋食屋さん、という感じ。姉妹はそれぞれハヤシとカレーライスの〈銀座モダンランチ〉を注文し、ぼくはいろいろ味見してみたいのでBコースにした。お母さんは「もうずっと食欲がないの…」と言い訳しながらオムライスを一つ頼んだ。