家で過ごす

裏窓に夕日さしこむ殘暑哉

子規

はじめて一日家で過ごした日。
家の外に出るとアメリカなので、何かと気苦労が多い。なんでも見てやろうの精神で張り切ると散財するし、家にいることが愉しくないと続かないんじゃないか。どんな部屋かというと、古めかしくて大きな集合住宅の一室なんですが、ひとことで言うとタリブ・クワリ&ハイテックの「ザ・ブラスト」って曲の映像に出てくる土砂降りの雨の中の建物に似ています。ピンポイントで申し訳ない。だから全然、贅沢な暮らしじゃなくて、どちらかというと収入が少ない人たちが住む区画になると思う。肌で感じることは到着するまで分からないので、このことは少し凹んだし、観察して状況の把握につとめています。また明日にでも書こうと思うけど、『ポパイ』のニューヨーク特集でもページが割かれていた、厳格なユダヤ教徒たちとカリブ人たちが共存しているキングストン・アベニューという区域なんです。わりと濃厚なところかも。出発する前はタリブ・クワリのことなんて考えていなかったけど、調べたらやっぱり彼はブルックリンの出身か。彼らのカルチャーの、言うなれば「内側」で過ごしているのがへんな感じだし、なぜか今、中庭を見おろす窓の外は暗い雨が降っていて、多くの部屋の灯りが見える。

小風景