ひもじさに

ひもじさに紙屑かむや秋の雨

子規

なんとかやっていますよ。ブルックリンの簡素なお部屋で過ごしていますよ。適応しようとして観察と訓練の日々です。何日か雨が降り続いていて涼しい。中庭の大木と沢山の窓がぼくらの風景。夏のあいだにできた汗もが治りそう。わりと引きこもり気味だけど、外へでればいろいろ恥ずかしい思いもしていますよ。きのうは初めてウーバーの待ち合わせ場所に辿り着けなかった。ぼうっとしていました。運転手からがんがん電話が掛かってきた。ほんとごめんなさい。黒い山高帽に黒いスーツ、ひげもじゃでもみあげを編んで垂らしているユダヤ教徒の人々は見馴れてきました。スーパーマーケットで買った「宗教的に正しい」お惣菜の味にはおどろいたけど。ひさしぶりに食べ物を残したけど。うろことヒレのない魚を食べたらいけないらしいよ。あと、ご近所のもう一つのトライブである、カリビアンの人々。日曜日にお隣の壁越しに歌が聴こえてきた。すごく上手に歌っているんだけど、たぶん家族で合唱してるの。あれはテレビの音じゃなかったと思う。

小風景