セブンイレブンで買ってきた手入れ用のハサミを持ち、「これから鼻毛の手術をします」と外科医ごっこみたいなかんじで、私の鼻毛はきれいに刈られていったのですが、スッキリして気持ちがいい。
それから私の鼻の穴の拡大写真を撮り、「わたしの鼻毛クリニックのホームページに載せますね」「どうぞどうぞ」なんて幼稚なことをしていたらストンと落ちてしまい、気づいたら真っ暗だった。
目当ての食堂にも行きそびれてしまい、遊び半分、心細さ半分でぐずぐずしている夕刻なんですが、こんな時間の谷に落ちるような過ごしかたが存外、心身にいいのかもしれない。狐につままれた。
今日の京の町は冷気に充ちていて、うっかりすると風邪を引くやつだ。これから友人がたこ焼きパーティーをやってくれるというので、これだけ書いたら鍵を閉めて出かけようと思っています。
きのうの夜、玲奈さんからメールが届いていて、「文章と写真がピタッとマッチで写真が映像になったみたいですね」と書き添えてありうれしかった。二月に訪ねた、あの古い家はすばらしかった。あの家にも、土地にも、きっと深い深い時間の谷が横たわっているだろう。