お茶の楽しみ

さて、いよいよお茶が楽しみになってきました…なんていっても、近ごろ見始めた人にはなんのことか判らないかもしれませんが、〈お茶〉という題名の本を作っているのです。これがどんな本になるのか、心のどこかでずっと考えつづけていたのですが、〈アポテーケ〉の香りのページの制作が一息ついて、二月も終わりになって、だんだんとこれでいいんじゃないか、という風景がぼくたちの間に見えてきました。こんな本だったら〈お茶〉になるんじゃないか、という安堵と期待が芽生えてきました。…といっても、おそらくあと二山(ふたやま)くらいある。だけど、たぶんいい感じになるでしょう。それにしても、今までお酒を楽しみにしたことはあっても、お茶がここまで楽しみになったことはない。お茶を飲むのが日課だという人はいても、お茶を飲むのが楽しみで仕方ない、という人はめずらしい。そんな人がいたらへんな人か人生の名手でしょう。お茶ってそういう自然なもので、だけどお湯よりはお茶のほうが手をかけたもので、日ごろ思っているよりも、もしなかったら困ってしまう、そんなものだと思うんです。ぼくたちはこれから本(と様々な形)を介して〈お茶〉というほっとするものについての理解を深めるためのツールをお届けしようと思っています。るんるん。

小風景