ストーブ

妻が入浴しているあいだに眠い目をこすりながら書くのです。一日ベッドと周辺にいたから、ずっと眠っていたようなものなんだけど…。少なくとも僕は何かしらしていた。けれども彼女はいつでも眠れるし、ずっと眠っていたいようです。それはそれで羨ましい。灰色の日射しの時間から夕暮れがすぐにやってくる。ここにいるとスローダウンする。どこか遠くでは一分、一分が有意義で収益性が高いのでしょう。だけど中には眠たい人もいると思うな、そのことから目をそむけないように。眠りの王国はいつでも手招きしているぞ。気がつかないうちに少しずつ侵略していく。無意味なことがふえていく。お金にならないことに夢中になる。一秒でも長くベッドに留まろうと務める。冬になるとこれらの傾向は強まります。彼女はキッチンが寒いからもう一つストーブがいると言った。夕食は生姜の入った鳥のつくねと豆腐のスープだった。僕たちは幸運にも古いガスストーブを手に入れることになった。

小風景