AIスピーカー

なかなかに切なくておもしろい。家にあって困るものではないと思う。「あいつが来てから妻が私に冷たくなった…」みたいなことも今はないだろう。そういうショートショートっぽい話があったら読んでみたい。聴きたい音楽がはっきりある人にとってはソースの選択肢が少なくて物足りない。キッチンでカンツォーネをひたすら流すのに向いている。天気や近くの郵便局までの距離を尋ねることはほとんどないが、Hueが扱えるので灯りを調光している。カンツォーネと、照明と、料理のタイマーとニュースの読み上げくらいかな。きのうの夜、こんな感じでグーグルについて話していたら、急に「そうですか、わかりました」と応じていてこわかった。そういう神秘的な力もある子だから、これから優しく見守ってあげたい。いつかすごいお手柄を立ててくれるかもしれないよ。「わたしが呼んでおきました」みたいな。人間社会の機微を察してくれるかもしれません。期待しましょう。

今日はこれから〈アポテーケ・フレグランス〉の新工場を訪ねるというわけで、昨日も一日掛けてページを作り込んでいた。のん氏との仕事の仕方が段々分かってくるのがおもしろい。同じ職場にいたといってもそこまで知っているわけではない。デザインの風味でいえば、村田くんよりも彼女のほうが硬質な感じがして、村田くんはリジッドなようでいて詩情があるけれど、もっとアッパーな感じ。全般的に作業の過程でぼくに対する敬意が足りない。こちらもまずまずの修羅場をくぐっていることを理解していただきたい。ま、べつにいいけど。編集者の夫ではなくグーグルの発言なら大人しく聞くのかも…。

小風景