短歌の印象

それで、岩波文庫の〈子規歌集〉を手に取った。〈歌よみに与ふる書〉のほうもぱらぱらめくってみたけど、字が小さくてこちらは買わなかった。青空文庫にも入っているだろうと思い。なにか琴線にふれるものはないかと期待しながら子規の短歌を眺めてみましたが、古めかしくて退屈なだけだった。それでがっかりして歩きながら気づいたんだけど、もともと短歌も俳句も退屈にきまってるんだよな、と。むしろなんでそんなものたしなんでいたんだろうとそれが不思議に思われてきた。これをおもしろがっているほうがおかしいだろう、と。しかも小学校の国語の先生とかならまだわかるけれど、ふつうにインターネットの仕事しているし周りは洋服屋やデザイナーやラッパーなのに。恥ずかしくなって家に帰りましたが、〈子規歌集〉をぺらぺらしながら妻と話していたらふと場が明かるくなって、そんなに捨てたものじゃないような気もしてきた。もう少しこの古めかしい歌集とやらを茶でも飲みつつ眺めてみます。

小風景