スカウトメール

会社を休職してそのまま退職してから半年ちょっと経つ妻ですが、知らないあいだに求人紹介のサイトにいくつか登録しておいたそうで、どうやらおもしろいようにスカウトメールが届くそうなのです。つまり、「うちで働かないか、話だけでも聞きにいらっしゃいませんか?」というもの。ちょいと見せてもらうと受信箱が一杯になっていた。僕も前に就職活動はしたけれど、とてもこんな風にはいかなかった。Webデザイナーって職業が引く手あまたなんだろうか。それとも彼女のレジュメの書き方が上手なのか。景気がいいのかな。心配なのは、また働き始めたら体調をくずしたり気分が塞いだりしないだろうか、ということなんですが、僕自身、本当にそれだけを心配しているのか、自分に問い掛けているようなところもあって、「もしいいところがあったらいいんじゃない?」なんて言いながら、心中では家にいてほしい感じもある。寂しいからなのか、僕自身が変化したくないからなのか、引き留めるのが彼女に悪いような気もして、この感情に注意している。これってふつうのことだろうか。たぶんすごくふつうな感情なんだろう。スカウトメールの、くすぐったいようで、ちょっと不吉な感覚。

小風景