何ヶ月か前から気になっていた、東北にある、中村好文氏の設計の家が賃貸で八万円ででているのを偶然みつけた。売買だけだと思っていたので、ぱっと身近に感じられて空想が広がった。その家は駅から遠くはなれていて、一〇〇平米もあって、建具や造り付けの家具は独創的で温もりがあってすばらしい。敷金も礼金もなしとのことだったから、手数料を考えても二〇万円くらいと引っ越し代金であの家に住めてしまうのか、と浸っていた。生活用品のほとんどをアマゾンから受け取るところを想像した。吹き抜けになったリビングにあるストーブのために薪を割らなくては、なんて厳しい冬に思いを馳せていた。けれども、これを書こうとして今、あらためて調べてみたら見あたらない。稀によくあることだけど、同じ言葉で検索してもでてこない。幻だったのかな。住みたすぎて心が作ったページだったか。おかしいな。それでも、これからの日本ではそういう住居が沢山でてくるんじゃないかと思う。活用できる仕組みがあったらいい。暇つぶしですらこんな考えが浮かんでくる。なのに、権力の中枢では、言った言わない、会った会わない、おっぱいが好き、などといった議論が白熱していると聞く。