渋谷、原宿

ステファン・マルクスの〈新宿御苑〉という本を買った。二つ折りにしたピンクの紙に一色で木々やビルが描かれている。いつも以上にふわふわとした線で描かれていて、ホッチキスで留めてある。こういうかろうじて本になっているような本になぜかとても惹かれる。それでいて時によって少しだけ趣向が凝らしてある。たとえば今回だったらピンクの紙。すごく好き。渋谷でランチの店を探したけれど思うようにならず、千駄ヶ谷の方まで歩いて行って、ミクシィで働いていた時分に通い詰めたおろし蕎麦の店に入った。随分前から早仕舞いでなかなか入れなかったので幸運だった。僕のことを覚えていてくれた。カウンターに座ったけれど後ろの席に〈C.E〉のトビー・フェルトフェルさんがいた。あの界隈でのランチといえば、というくらいよくお見かけしますね。ふしぎなくらい。渋谷へは、パスポートの記載事項の変更のための書類を取りに行ったんです。帰りに雨が降り始めた。あっさりと今日あったことを繋げてみたけれど、一つ一つが自分が自分で作ってきたルールやコースに裏打ちされていて幸せな日だった。うまく言えないけど、起こるべくして起こっていること、という感じがした。また、本を眺める。

小風景