再会

ああ〈会社は学校じゃねぇんだよ〉今週もおもしろかった。投資家はへんなバーにいることになってたり、床に落ちたスパゲティを食べたら出資が決まったり、インターネット業界についての間違った知識を広めてておもしろかった。いや、もしかしたら何処かでは本当にそうなってるのかもしれないけど。僕の知ってるのと違うのが良かった。でも、やっぱり彼らと同じだと思った。資金力のある人を掴まえておもしろいことやりたいなという点で同じだから、これは僕のことだと思った。あと「会社は学校じゃねぇんだよ!」って叫ぶ時の文脈が二回目にして壊れてる感じがして、もう何が言いたいのかよく分かんなかったけど、声だして笑いながら見てました。三〇分が一瞬だったな。

今日は友人が〈世田谷ものづくり学校〉にサインペインティングの工房を開くとのことでお祝いに行ってきた。二〇年来の仲間に交じって妻がいるのが新しい光景だった。もっと早く紹介したかったんだけど、この一年(村上春樹さん流にいえば)生きるのに必死でそんな暇がなかったんだよね。だから再会のいい機会になった。ペインターの彼は、四〇才を目の前にしてサンフランシスコに渡り職人に弟子入りしてレタリングの技術を持ち帰った。フェイスブックの写真から「文字の顔つきがいいなあ」と感じて足を運んでみたら、当人も顔つきが精悍になっていた。昔から器用な人だな、と思ってたけど、ラップしてるのと酔っ払ってる場面ばかり見せようとしていたから。そこから画家(というか看板屋さんかな)になる、なんて展開があるんだなあと感心してしまった。いいよね。芸術家たるもの、そのくらいの波乱を演じて見せてくれないと。でも、聞いてみたら彼は美大でてるらしいから、そう考えるとあいだは出たら目だったけど、出発点と今の地点だけ聞いたら「美大生が絵描きになった」っていうことだよね。概要だけ聞いたら簡単だけど、だれだって血を流しながら打開している。あの人はちょっとやそっとじゃへこたれないぞ、と思わせないとね。

Modern Twist Signs

小風景