書き始めるのが〇時過ぎになってしまい、雨の夜、三面に窓がある二階の部屋にいると、ぐるりいろんな所から音がしている。外は涼しいようでいて中は蒸し暑いから首振りの扇風機の風を受けている。書くことが一向に決まらないけれど、ずっとこうしていられそうな夜でもある。朝から何をしていたか思い出してみると、水曜日だからハングアウトの話し合いがあった。僕はここのところ準備の仕方を変えていて、一週間は材料をじぶんの中に抱えてから、次の会で初めて開陳することにしている。つまり、七日に一回だけ言葉にするということ。そのあいだは、メールもSlackも使わない。ずっとそうする積もりはないが、こんな拍子の取り方を試してみようと思った。それでいて、ここでは毎日書いているので、水路が複数あるような感じだ。ちょっとした段差で分けられた溝をそれぞれの観察と思念がちょろちょろ流れているような感じだ。別のページにも、見る人への効果を逆算しながら綴っている小川がある。三つある。午后一時から妻は髪を切りにいって、夕方には戻ってきた。薬局へ寄り三〇日分の薬を受け取ってきた。そのなかには、睡眠薬もあるはずだ。僕も同じ物を処方されているんだけど、そういえば、いつからかふたりとも飲まずに眠るようになった。彼女は、西海岸へ来たら、という誘いをもらった時くらいから要らなくなった。よかった。