家にいました

日がな一日〈ガールズ〉を見ていました。シーズン2の途中までずっと三〇代の終わりくらいの人が落ち着きを払って修行時代の、色々めちゃくちゃだった頃の材料を調理してみせた作品なのかと思ってたら、主演の女性が二〇代半ばで脚本を書いて監督もしていると知ってけっこうショックだった。また、その主人公が文筆家になりたくて今はなんでも経験して感じてみよう、と酷いことを繰り返すのが人ごととは思えず、ようやくお声が掛かった、手腕のある文芸誌の編集者の見た目や造形もああ、これこれ、という感じで、ブログを書くことがどんな位置付けになってるのか、どうやら小説よりエッセイというジャンルが強調されていることなど、すごい勉強になる。また、いま差し掛かっている話では彼女が〈GQ〉に記事広告のライターとして勤め始めて、ミーティングの様子や同僚たち(賞を獲った詩人やコラムニストの少年)の描かれ方だけでしびれてしまう。ここにずっといたら作家じゃないんだ、というあってしかるべき焦燥感も。どうしてこんなに恥ずかしくて込み入った事柄を劇に仕立てられるのか…。それはさておき「そんなこともあるよね」なんて目上として見ていられるのも、自分がライターとして一息ついたからだろう。日がな一日この楽しみを貪ってしまった。

小風景