夕立や
君が怒の
一しきり子規
ゆうだちやきみがいかりのひとしきり。なんてみずみずしい怒り。子規ぽよって時々こういう青春みたいなこと云う。夕立のようにだれかに怒るなんて、恋人なのか、仲の良かった友人なのか、いずれにせよお互いに好きだからに決まっている。大人になったら(十分に大人になったら)こういうシーンってもうないわけ。夕立に打たれて大人が怒ってたらおもしろい光景になっちゃうから。そういうことはもう起こらないと思う。僕は通りすがりに眺める側にいると思う。それでもこんな句を見ると、水しぶきが跳ねたように自分にも蘇るものがある。切なくなって、鋭くうるおうものがある。たまには夕立のように、だれかに怒ってみたいのだ。