白飯につきるとおもう飲食の喉もとくだるきわのうまみは
沖ななも
夕べは〈短歌の冗長性〉についてお話しましたが、たとえばこの一首なんてどうですか。ぽつぽつと音がつながって三十一文字までいくけど、一言でいえば「ごはんがうまい」ってだけなのが楽しい。いわばメシウマ短歌とでもいいますか。「白米っておいしいよね」ってだけで歌になるのが素敵だと思いました。「喉もとくだるきわのうまみ」なんてほんとに冗長ですばらしい。少しの思いつきを粘土で延ばしていくようなイメージが浮かんだ。言葉をこねこねして紐みたいによっていくのかな。この、沖ななもさんの短歌におけるみごとな冗長化と、詩というよりも独り言っぽいライトなタッチはぜひ学んでいこう。じゃ、おやすみ。