秋の水やはらかに手によみがへる
汀女
予習しようと思いニューヨークが舞台のドラマを年代を追って無作為に見ていく。「セックス アンド ザ シティ」や「ゴシップ ガール」やレナ・ダナムの「ガールズ」とか。いつ見ても四〇才になる女の人が真夜中に着飾って遊んでいる世界はしんどそうだな、と思う。一〇代からパレスホテルで酒浸りなのもいかがなものか、と思う。飽くなき欲望の肯定とその表現としての奇行。「都会のもっている都会性」のいちばん純粋な産物が、ニューヨークにはあるのかな。かれらはそれを誇りにすら思っているようだ。私的な興味として「都会性において東京よりも都会」な場所があるなら見せてもらおうじゃないの、というのがある。文化が違うから比べられないのは知っているが、「エッセンスとしての都会性」で超えてくるならそれってどんな感じだい? 僕はそういう点でもちっぽけになりたいのだ。小国からやってきたへんな奴として、どっちが変わってるか見せてやろうじゃないの、と思っているのだ。