降りつゞくけふはまばらに夏の雨
虚子
朝いちで「くすりの福太郎」へ目薬と風邪薬を買い足しにいく。帰り途にパンとヨーグルトも手に入れておいて、あとはニューヨークが舞台の法廷ドラマをみながらごろごろしていた。悪くはないけど、もう少し醜いものが見たいかな。毎度もちこまれる案件もストーリーも軽い。高そうなスーツに身を包んだ男たちが闊歩するオフィス街って、ぼくは大好きだけど、東京でいう丸の内みたいなところってどこなのかな。とくに用事はないけど、朝いちで通勤列車に乗って、大手町や永田町みたいな立ち位置の駅へ行ってみたいなあ。いかにも働いてますって顔で、行進の流れにのって摩天楼の回転ドアに吸いこまれてみたいんです。もちろんIDはないから、ホールの壁に掲げられた「入居している企業一覧」を眺めて帰ってくるだけ。いわばガーシュイン的な「都会という音楽」の一部になってみたいの。