夜すゝみや
ひるのあつさの
埋合せ子規
よすずみやひるのあつさのうめあはせ。夜涼みって、暑い日に暗くなってから散歩に出掛けると、たしかに昼のことが嘘みたいで、同じ場所でもちがう空間のように過ごしやすい。公園なんかを歩くと、夜の大気と緑の気配がなんとも爽やかで、空白の中を歩いているような気がする。だから、行けなかったところへ行けるようになる感覚、塞がれていたものが戻ってきたような風景に「うめあはせ」という言葉をあててみるのは、とてもいい着想じゃないかと思います。なんか、ここまで暑いと「夜すゝみ」からが自分の時間、なんて気すらするよ。昼間はただただ観念して、半分眠っていたりして。この夏、だいじなことは夜決めよう、なんて、どうでしょう。