足らざりし愛を詫ぶれば物分りよくいいさいいさと手を振るきみか
中城ふみ子
ああ、そうか。物分かりのいいきみに、足らざりし愛を詫びる。きれいですね。ただ、「愛が足りないことについて謝る」ってだいぶ依存がすすんでいるような気がして心配ではありますが。でも好きだったらそういうこと口にしちゃうんだよな。別れる時なんて特にそうかも。むしろそこで「いいさいいさ」と爽やかに受けられる人になってみたい。僕だったら「いいさいいさ(よくない)」みたいな顔つきになっちゃいそう。もやもや。
ふみ子さんの短歌いいなと思ったから炎天下に家をでてちかくの図書館でさがしたら、彼女の歌集があったから、しばらくは暑気払いの冷やした紅茶でも飲みつつこれ見て過ごそうかな。もやもやした感情に胸が締めつけられる、そういう風景が時々ある。