燃えむとする

燃えむとする彼の素直を阻むものかれのうちなるサルトル・カミュ氏

中城ふみ子

今晩は、日が暮れても室内は暑すぎて。ついかっとなって短歌をえらんでみた。夏のせいで世界線が俳句からずれた。短歌ってなんだろう。この一首については…言いたいことはわかるから。サルトル、カミュってフランス人の哲学者だから、〈かれ〉は難しいことばかり考えているんでしょう。実存主義と自由な恋愛とは、みたいな重たそうな悩みを頭の中にこしらえているんだろうな。僕もたぶんつい最近まで似たような感じだった。君、素直になりさへすれば愉しいこといっぱいあるから。ふみ子氏が色々教えてくれるから。こういう女子がもやもやしたことを三十一文字にするのが短歌なんだろうか。女子といっても、ふみ子氏は大正生まれなのですが。こちらの世界でも、昭和の女流が今の気分です。

@hellofukei

小風景