時間の上流

午後二時くらいに家をでて、錦糸町から横須賀線に乗って鎌倉まで行って、由比ヶ浜のホステルにチェックインしてから鵠沼海岸の靴下デザイナーのやすろうくんの家へ遊びに行って、という、それだけの旅程だったんだけど、書く時間がなかった。日帰りできる距離だけど、夜遅くなっちゃうから今回から泊まりの小旅行にしようかな、と。

こういう小旅行はちょっとおもしろい気がする。たとえば東京都内でも、吉祥寺で晩ごはんだったらもう、ちょっとしたホステルに泊まって朝、墨田区に帰るとかはやってみたいな。由比ヶ浜や江ノ島のあたりはそこんとこ、いい距離感になっていますね。だから昔から移り住む人が多いんだよね。だれでも知ってることだと思いますがそう思った。

靴下デザイナーのやすろう君の家はもう四年くらい?定点観測していますが、飾り棚や照明の雰囲気、道具や配置がよりポリネシアっぽくなっていて、エッセンシャルっぽい宇宙的なくつろぎもありつつダイニングの仕事机にはキャスター(車輪)のないアーロンチェアという見たことのないインテリアが鎮座していて、なんだか安心しました。

やすろう君とあやのさんの家について描写しずらいのは二人の美意識が既存のどの雑誌にも属していないからで、「〇〇っぽい」という風に言えないんだよね。未来というか、時間の上流に暮らしているからそうなるんだと思うけど、なぜか一言でいうなら〈ポリネシア〉になるのがおもしろい。カヌーを乗り継いだ文明の終着点みたいな…。(つづく)

小風景