きょうは東京は温かい日でしたが、こういう写真を見ると写真ってほんとにすごいな、と思ってしまう。前に阿部さんと雨の日に歩いていて、ふと写真を撮ります、と言って、ビニール傘越しに雨垂れを撮っていたのが、すごくきれいで好きだった。だれでも一度はやりたくなることだし、子どもがカメラを手にしたらやりそうな試みだけど、雨垂れの向こうに風景があるって、原始的な歓びがあると思う。これは、どこかに観覧車が映っているのだろうか。
ぼくは全然、最近の写真のことは知りませんが、ぼくのお祖父さんは、早くからカメラを手に入れて遊んでいたそうです。〈光画〉という木村伊兵衛も参加していた写真雑誌の同人で、図書館で調べたことがあるんだけど、おじいさんの写真が残っていた。（ぼくは会ったことはない）それは銀座の帽子屋さんを写したもので、帽子屋さんの窓ガラスに帽子がいくつも映っているという作品だった。母さんによると、瓦屋根だけを撮ったシリーズがあるらしい。
