カレンダー

大晦日というのはいつもとちがって、いつもと同じように過ごしても過ごさなくても、あしたになったら年が明けている。それが悔しいようでもあり、寂しいようでもあり。僕はもう一日くらい今年に留まってもいいんだけど、なんとかならないか。

でも、あしたから新しいフィールドを歩いていける、というのはいいですね。今日一日が上手くいってもいかなくても、その特典はだれにでもプレゼントされるというのはありがたい。初心に帰って、おっかなびっくり歩いていきたい。耳を澄ましたい。

なんていってるけど、カレンダーってそういう仕様なんだよね。何を当たり前のことをいってるのか…。あたまでは分かっているんですが、今が大晦日の夜だというのが、うまく飲みこめなくて。この感じを味わっている時間が、あんまりなかった。

この感じを大事にとっておいて、二月くらいに休みを取って味わうというのもいいかもしれない。そんな人もいる気がする。カレンダーを自分なりにずらして生きている人。そういう柔軟さも持ちあわせていたい。大晦日に負けたくないってきもち。

昼に薬局まで歩いて、目薬を買った。スーパーに寄り、塩と生蕎麦とピザポテトも手に入れた。ベッドの傍のケーブルが目についたので、埃をとって整理した。それから熱いお茶を入れて、いつものカタカタをはじめた。年末のピザポテトはおいしい。

妻はテーブルの向かいに座って、新年の日記の準備をしていた。西暦の欄に、組み合わせて使う数字のスタンプをせっせと押していた。それが済んだら、紙を取りだし、カレンダーを手作りしていた。何してるんだろ、と思ってたけど、なんかよかった。

小風景