なんでもない日

ちゃんと仕事はしていたけれど、年の初めから注意深くしていた気配が落ち着いて、なんとなく緩んでいるというか、たぶん外もそんな感じなんだろうと思う。一人で家にいる時間が、いつもよりあったから、好きなだけ妄想にひたっていた。まったく取り留めのないもので、ただ時間だけが過ぎていった。そのあいだ、ひっきりなしにお茶を入れてはポットに移して飲んでいた。バラク・オマバがゲストのトークショーの最初の二〇分ほどだけ見て、じわりと感激しはじめたところで、なんでもないように目をそらした。また、見開きのページに幾つもならんだ小鳥の置物の、好きな順番を決めようと思い立ち、思い立ったままにしておいた。また、電話をいつもにないくらい間を空けて見ないでいたら、思いもよらないメッセージが届いているかも、と予想して放っておき、手拭いでくるんでおき、日が暮れてから取り出してみたら、とくに届いていなかった。そうして、ひっきりなしにお茶を飲んでいた。

小風景