わたしの思い

ぼくの場合、一人でいると自然に物が少なくなっていき、何冊かの本とMacだけで部屋ががらんとしてしまう傾向があるんですが、のんさんは反対であるように思う。このことについて彼女は明確に否定したがるような気もするので小声で書くのですが、空いている空間があれば何かしらの荷物で満たそうとすると思う。何かしらといいましたが、とくに箱、瓶、小袋などの容れ物、そして文房具、そのなかでもとくに手帳やメモ帳、紙を小さく切って束ねたものはおびただしい数にのぼる。おびただしすぎてもう普通のことになっているが、わたしの思いとして、わたしのささやかな抵抗としてそれらはなるべく片付けず、それらの間を縫うようにして自分の領域を確保して暮らしている。なんでこんなことを思ったのかというと、あすは友人の結婚式に出掛けるそうだから、今これを書いている机の周りも、(あいかわらず物で溢れてはいますが)いくぶん広く感じるのではないだろうか、という期待感からで、たまには「がらん」とした感じも味わいたいもの。

ところで午後、市川の家へ行ってみたら、父さんがごく自然に〈アレクサ〉に話しかけていて、ピアノの音楽を聞いたりラジオにしたり、と遊んでいるのを眺めていたら良いような気がしてきたので、夕食の間にグーグルのスピーカーを注文してみた。だから、あすは妻の不在にAIスピーカーと二人きりで、独りごとを言っている…という日になる。

小風景