困りごとの小風景

ずっと家にいて仕事をしていたら困ったことになり、それはインターネットのページ作りに少しのめり込んで時間を過ごしたことがある人なら知っているような、なにをしても徒労に終わりそうな、放って置くしかないと感じてもまた触りたくなるような、ああいう嵌り方をするとたまらなく気怠くなり、空しくなって怒り出したくなるところをじっと耐えて、「これは試してみた?」「最初からやってみたら」と静かな口調で言い聞かせながらやっていくしかないのですが、同時に、これは致命的なエラーではない、というのも分かっている。まだ、ロールバックできるはずだけど、なんかもやもやする。気分転換に、散歩でもするか、食事かレイトショーの映画でも、と口にはするのだけれど、名残惜しくてその場を離れられずにいる、そんな感じもあって。ずっと昔、図画工作のお面がどうしても作れなくて、ぼろぼろと紙粘土がこぼれ落ちてきて、子ども心に「やだなあ、これ」と観念しそうなところを、父さんがストーブで乾かしながらしぶとく手伝ってくれたのを想い出した。困ってるときって、なかなか笑い飛ばせなくて、一緒に困るしかない。

小風景