もう少し

何日かずれていますが水曜日は凍える寒さで、こんな風にもう少しというところでやってくる。風邪を引いてるから休みたいと思うけど、やり遂げたいことももう少しというところ。僕のあたまの中のイメージとしてはこんな感じ、通りは灰緑色で、曇天の空から糸が垂れ下がっている。それは無数にある。湿っている糸もあり、濡れている糸もある。掻き分けて前へ歩いたり、気づかないうちに髪にくっついていたりする。つまんで引っ張ったら灯りが点る気が利いた糸もあるし、いくら手繰り寄せても延々と伸びてくるだけの退屈な糸もある。明かるい日ならそれなりに愉快な光景かもしれないが、冷たい雨の下でじっと観察しながらしかるべき糸を選ぶのは骨が折れる…みたいな感じ。それでも、コートを被った郵便屋さんの箱を急いで開けて〈お茶〉のテストを目にしたら、はっとした。何冊かずつに分けてレターパックに封入し、伊勢にいる玲奈さんにも見てもらうためポストに投函した。それからまた、鼻水を啜って糸を手繰る。もう少し、もう少し。

小風景