縮尺の小風景

この一枚の、縮尺がおかしい感じ、それと窓際なのだろうか、陽の光が眩しい感じ、自転車の、細部まではっきりとした輪郭を描く影のせいで、より本物らしく目に映る感じ、それでいて視線をずらすと、鳥の置物の非現実的なおもしろさ、一輪挿しから延びる枝の影の自然な美しさ。何よりもいいのは、これが小さい風景で、見つけたことがうれしいというだけの、だれの目も気にしてないしひけらかす気もない、写真に切り取ってみたらよかった、という、それだけの好ましさ。(なんて、すらすらとでてきたのは、たぶん熱があるからかもしれない。熱がある時の、身辺の小さいものにふと感情が注がれる感じ、一方でなんか俯瞰していて、縮尺がおかしい感じ、この一枚に合うのかもしれない)

小風景