地平線の

地平線のむこうにも雨が降っていると思いはじめてようやく寝につく

沖ななも

こうして毎日のように短歌を引用している私のもとへ沖ななもさんの本「今からはじめる短歌入門」が届いた。それはいい本だった。そのことは当たり前のように思われた。もしかして今、私ほどこの本の理想の読者はいないかもしれないから。なにぶん、にわかではありますが、ひとかどのななも主義者と言っていいだろう。なにがいいってまず、〈ななもさんによるななも作品の解説〉が記してあること。これはおいしい。あの白米の一首についても「食べ物のなかで一番おいしいのは白飯」と書いてあってうれしかった。またもう一ついいのが、巻末にななもさんによる〈近現代の主な歌人とその作品〉の概説があること。これはありがたい。教科書で学びたい訳じゃないから。せっかくなにも知らないのに歴史のお説を刷り込まれたくはない。私には私の船頭が要るのであって、その役割をななもさんがつとめてくれるなら言うことはない。いわば、ななもさんキュレーションの短歌史。わくわく。ぴかぴか。

@hellofukei

小風景