風邪で臥せっている木曜日、おままごとみたいに整えられて、ベッドに仰向けに寝かされている。冬のあいだ使っていた襟巻きで目は覆われている。気になることが浮かんで、何かが見たくて仕方がない。電話も何もかも片付けられてしまった。「どこかが弱っているから、目も休めたほうがいいですよ」と箱の中に入れられてしまった。風が強いようで、木々の揺れている音がする。二階でごとごとと何かしている。時々食事が運ばれてきた。からだを起こしてサイドテーブルで口に運んだ。そのときには見てもいいとされた。春の初めの、鍋焼きうどん。熱々でおいしい。しばらく眠って「三時になったら、おやつ」と声を掛けたらもう三時を過ぎているとのことだった。おやつは、クリームチーズケーキです。ボウルでクリームチーズを練ってから、ヨーグルトと泡立てた生クリームと混ぜ合わせる(ハチミツも入れる)。そこに赤酢桃のジャムをのせる。シャーレのようなガラスの器に盛られていた。隣には、鳥みたいな顔をした、灰色のステルトンのお茶のポットが置いてあった。