定期券を買う

プールの駅まで一ヶ月分の定期券を買ってしまった。これで心おきなく毎日行けますね。それにしてもプールは家から遠いところで、仕事場もないのにプールまでの定期券は持ってるって、ぜんぜん合理的な行動に思えないけど…。どうしてこうなったのかな。ま、いいか。なんだかんだ、通勤に慣れているぼくにとっては、定期券ってやっぱりあるとうれしい。たとえば帰り道で思ったんだけど、途中駅の立石とかでも降りられるわけさ。だからお昼過ぎまで泳いで、二時には〈二毛作〉がもう開いてたりするから、寄り道しておでんたべたりできるわけさ。なかなかいいでしょう。それにしても、ぜったい定期券なんて買わなそうな人たちが今日の写真ですね。この人たちは、小鹿田焼の職人さんですね。ぼくもこの場にいたから分かります。たまには、阿部さんと同じところにいるのです。思うに、こんな風に、ちゃんとした仕事場があって、自分がなにを作っているのか分かっているって、都会の人間にとっては遥か遠くの出来事ですよね。道具があって、手を動かして、なにかを作っている。この状況がファンタジーに感じられる…。ぼくもかれらと同じような実感がほしくて、プールに泳ぎに行くんだと思う。ちょっとひねくれた形だけど。家から遠いけど。

小風景