夏山の

夏山のおつかぶさりて土産店

虚子

夏という季節の間が抜けている感じがよくでていると思います。大ざっぱというか、ぼうっとしててよく見てなかったけどこんな景色だった、みたいな、このくらいラフな言いかたの方が夏休みの田舎の風景を捉えているのかも。情緒よりも、おっかぶさるくらいで丁度いい。あんまり関係ないと思うけど、最近「喉元すぎたら熱さを忘れる人っていいな」と漠然と考えていた。ふつう、愚かな人だとされてるのかもしれないが、喉元すぎてるのに「あのときは熱くてたまらなかった」とかずっと言ってる人よりいいんじゃないか。忘れちゃうってかしこいと思う。「当時はあんなに苦しい目に遭った」とか「あの人は物凄く良くしてくれた」とか、喉元すぎてるのに忘れられずに人生を台無しにしかかってる人って、洒落にならないでしょ。そういう人こそ、この雑さを感じてみよう。おっかぶさっていきましょう。

@hellofukei

小風景